地方のジャスコ 【追記】
初出 2004/08/05

写真元: JASCO
研究室で地方の活性化というか観光振興について話していたら、ジャスコの話が出てきました。
言うまでもありませんが、地方においてジャスコは便利そのもので、東京並みの商品が手に入るという、地方では夢のような空間です。
ファスト風土化した日本と危険な地方農村部 culturestudies
2002年8月15日付日経新聞は「イオン、人口減少地で優位」という日本経済新聞社の「新・ビッグストア調査」の結果を発表している。これによると、「イオンは市場の成長力が比較的弱く新規参入も少ない地域を押さえており」「東北のほか、関東内陸、北陸、近畿でそれぞれ店舗面積シェアが最も高い」という。(略)
そして「特に東北では3.3平方メートル当たり売上高上位20店のうち、15店を占めるなど効率面でも優位に立つ。商圏人口全体が減少している地域の店舗の構成比が面積ベースで9.8%と高い。」という。つまり、人口が減少し、ただでさえ市場が縮小している地域に出店し、その地域の商業全体に占める比重を高め、競争優位に立つという戦略なのである。
人口が減少している地域に敢えて出店というのがとても興味深い。衰退した町において、ジャスコは救世主に見えるんでしょう。
上記引用元、「ファスト風土化した日本と危険な地方農村部」(clturestudies)に詳しく書かれていますが、犯罪増加やコミュニティの喪失、などが言われています。
研究室での会話の中で「観光地に行ったけど、何もなくて結局ジャスコで買い物しちゃったよ」という意見も出てきました。確かに地方の観光地って大したことないことが多くてこういうことになるのでしょう。
これも観光客のための施設と住民のための施設がズレているからだと思います。「ジャスコの中に文化施設でも入れてたまに祭りでもやれば、伝統も保存されるし観光客も来てくれる」なんていう極論も出てきました。
追跡: 静岡 イオンの衝撃 浜松の大型店出店ラッシュ/静岡 毎日新聞 2004/08/05
中心市街地などの小売店が顧客のニーズを満たしていないと指摘するのは、静岡文化芸術大の坂本光司教授だ。今年5月に湖西市から大井川町までの遠州地域で商店等の顧客満足度を調べたところ、小売商店については「おおむね満足している」は20%足らず。「不満」が3割を超えており、坂本教授は「品ぞろえやサービスなど小売店の魅力がなくなっているのが中心市街地の問題だ。大型SCはそこを突いて進出している」と指摘した。
ドイツでは郊外の大規模SCを造らない代わりに、既存市街地の地下に大駐車場を作って商圏を拡げた事例があります。
人と街を大切にするドイツのまちづくり
海外の中心市街地活性化事例から学ぶもの
観光客としても、ハコの中の造られたものよりもそこに住む人たちの生活が見たいはずです。
ジャスコの中に地域文化施設を入れても、それは地域ではありません。地域は既存市街地にあるはずです。中心市街地の商圏をどう広げるか、人口を増やすか駐車場を造るか、「東京」の輸入でない地域独自のライフスタイルをどう取り戻すか。その辺の答えを出さなきゃいけませんね。
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追記 2004/08/13
僕の地元市の隣町に、ジャスコを備えた巨大なSCができておりました。工場跡地だそうで、本当に巨大でした。
天井は5mはあるし、ジャスコ内にはアイスクリーム用にドライアイスも完備され、SCのテナントにはコムサを始めとしたある水準を持った服屋がある。トイザラス、映画館、渋谷などで見る飲食チェーン店もたくさんあって、夏休みからなのかとても混んでいました。郊外SCってあなどれません。
近くにはユニー系「アピタ」があるのですが、規模と中のテナントの質でとても勝てないようでした。
それよりも近くに名鉄駅に付随した駅前商店街があるのですが、シャッターに閉ざされてひどいもんです。あれを復活させようとしても難しいですが、とはいってもやはり今の郊外SCのあり方が良いとは思えません。
