『復元思想の社会史』 編:鈴木博之
近世に入ると、西国三十三所巡礼などの「うつし」巡礼、すなわちオリジナルより行程の短いミニチュア版の札所巡礼が、全国各地に設けられるようになる。それらは女性や子供でも手軽に巡礼を達成できるものとして人気を呼んだ。江戸に限っても、「江戸三十三ヶ所」「山の手三十三ヶ所」「浅草辺西国写三十三ヶ所」・・・など枚挙にいとまがない。近世とは、さながら札所巡礼のコピーが全国各所へと増殖していく時代だった。 (p.15-16)
日本人のテーマパーク志向が、江戸時代には既に存在していたことがよく分かります。なるほど、現代におけるハウステンボスやスペイン村などと発想は何も変わりません。
全国で同じ現象が起きていたというのも興味深い事実です。最初にできた「三十三ヶ所コピー」を見て「これははすばらしい!」と膝をたたいた人が、全国にたくさんいたのでしょう。つまり「コピーのコピー」ができていくわけで、「コピーのコピーのコピー」と広がっていくさまを想像すると実に楽しいものです。楽しいのは僕だけでしょうけど。
地方でも「都心回帰」、タワーマンション続々建設 YOMIURI ONLINE 2006/9/9 ウェブ魚拓
大都市圏で人気の「タワーマンション」が、地方の中心都市でも続々と建設されている。
撤退した大型百貨店跡地などに建設されるケースが目立ち、入居者にも、歩いて暮らせる生活の便利さが好評。
郊外の一戸建てから移り住むシニア層や他県から転居する人もいるという。空洞化した中心市街地の再活性化への期待もあり、地方でも「都心回帰」の傾向が鮮明になっている。
(略)
うち1棟の高層階に住む公務員菊池久雄さんは「新幹線で一ノ関駅まで通勤しており、市中心部にも近いので購入した。遠くの山が見えて見晴らしが最高だ。住んでいて不便なところはまったくない」と話す。
(略)
不動産経済研究所(東京)は「地方では今後も都心回帰が進むだろう」と話している。
「都心回帰」の定義の問題かと思いますが、記事中の菊池さんの生活を「都心回帰」と言えるのかどうか、ここでは疑ってみたいと思います。
都心回帰には、職場や繁華街に近接したところに住むという意味が含まれているように思います。しかし昨今主に高層マンションが建設されているのは、地方大中都市に通勤可能な距離にある中小都市の駅前で多いように思います。
つまり衛星都市だった中小都市が「衛星郊外」に変化したわけです。職場も無いし買い物もできない町を「都市」と言うべきではないですね、それはあくまで「郊外」なのです。
そう考えると電車で市外に通っている菊池さんのような人たちを「都心回帰」というにはやはり違和感を感じます。
都心回帰ではなくて単に「郊外化」というのがより正確だと思います。
『大型店とまちづくり』によると、チェーン化して同じ店構えで同じ商品を提供するビジネスを、米国では「Formula Business」と言うそうです。
【名-2】 方式{ほうしき}、定式{ていしき}、決まりきったやり方、常とう手段{じょうとう しゅだん}、常道{じょうどう}、慣習的{かんしゅうてき}やり方、秘訣{ひけつ}
【名-3】 決まり文句{もんく}、式文{しきぶん}、祭文{さいぶん}、式辞{しきじ}

「赤いランプ」があるこの店構えは、今やどこにでもあるコーヒーチェーン店。上野と言われればそんな気もするし、福岡と言われればそんな感じもするし、上海やシドニーやシアトルと言われればそれはそれでそんな気もしてきます。
答えは、バンコクの中心市街地にあるスターバックスですね。

70バーツの「coffee latte」を注文しました。味は日本のスターバックスラテと全く同じ。タイっぽく日本より甘いかと思ったのですが、全くそんなこともありません。それは驚くほど同じでした。
そんなコーヒーを片手に目をつぶると、なにやら故郷である名古屋の栄の景色が浮かんできて、自分が本当にバンコクにいるのかよくわからなくなります。全ての階の平面プランが同じオフィスビルで、いつもと違うフロアに間違って来てしまったときのような感覚でした。
なるほど、異国においてチェーン店の店構えと味で故郷を思い出すのは、特に変なことではないのかもしれません。外国で和食を食べると大抵がっかりするしチップも払わねばなりませんが、スターバックスなら世界中で故郷と同じ視覚・味覚・嗅覚情報を得ることができるし、会計システムも一緒でチップも要りません。他人と喋らない限り、日本と全く一緒。
それがコピペの力であり、コピペこそが近代国家の原風景なのでしょう。
特に旅行者には悪くありませんよ。チップを気にしなくていいし、何が出てくるか想像もできます。腹痛を起こす可能性も低い。
と、これまで書いてみたのですが、「コピペこそ近代国家の原風景」と言いたかっただけですね。ともかくコピペは偉大です。コピペ無くして現代社会は成立しませんから!
UDON、悩みは排水 ブームで水質悪化困った! asahi.com 2006/09/12 ウェブ魚拓
全国から山あいの「さぬきうどん」店めぐりに訪れる人が絶えない香川県で、うどんをゆでた排水が川の水質を悪化させている。うどんと環境保護を両立させなければ名産の将来は暗いと、県や香川大は、うどん排水をリサイクルする研究に乗りだした。
映画『UDON』で更に人気が出ているのかもしれません。
映画自体はまあ正規分布の真ん中を狙ったような特に感想のない映画でしたが、とても美味しそうに映していたので、確かにうどんが食べたくなりました。
香川の人は朝から食べるみたいですね。3日くらい、朝昼晩と食べてみたいなあ。
呼び名で分かる:地域編 出身地を推測できる「ばんそうこう」 毎日新聞 2006/9/20 東京朝刊 ウェブ魚拓
「ばんそうこう」何と呼ぶ? 「ねえ、リバテープ持ってる?」。そう口にして、友人や同僚に妙な顔をされた経験がある。私は福岡県出身。「リバテープ」は九州を中心に流通するガーゼつき救急ばんそうこうの商標名だ。地元では通じるが、よその皆さんには通じなかった。実は、それを何と呼ぶか、で出身地が分かる物は少なくない。あなたは「ばんそうこう」何と呼ぶ?
ほうほう、とても面白い。
どうやら三大都市圏は「ばんそうこう」ですね。東北や中国・九州・四国では「カットバン」も多いようです。
★局地的 さらに「局地的」に特殊な呼び方をする物もある。 例えば、中部・近畿ではコーヒーに入れるミルクを「フレッシュ」と呼び、関西では一部年配男性がアイスコーヒーを「レーコー」と言う。「おねえちゃん、このレーコー、フレッシュついてへんで」という具合だ。鶏肉を「かしわ」と言うのは近畿、九州など。
おお、「フレッシュ」は方言なのか!
明治期以降の商品によって地域性が分かると言うのはとても面白い。明治とは近代化の過渡期であり、近代化とは画一化・均質化による大量生産化だからです。画一化の波の中で地域性を発揮したプロセスは実に興味深い。
「フレッシュ」などの簡単な商品は生産技術が比較的容易なので、地域で発生するもしくは独自の流通網が形成されやすいのでしょうね。自動車や鉄鋼ではそういうわけにはいかないのでしょう。
リニア実験線42.8キロに延長・JR東海3550億円投資 NIKKEI NET 2006/09/25 ウェブ魚拓
東海旅客鉄道(JR東海)は25日、山梨県で試験走行を続けている超電導リニアモーターカーについて、実験線の延長を正式に決めたと発表した。総投資額は3550億円。実験線を既存区間の2.3倍の42.8キロメートルに延長するほか、リニアの新車両14両を新製する。
3500億円 / (42.8 - 18.4)km = 143億円/km
リニアがどこに造られるか知らない方は多いでしょう。
新宿もしくは東京から、甲府・松本を通って名古屋に入り、奈良を抜けて大阪までをつなぎます。このサイトの絵はよく見ますね。
リニア中央新幹線の概要
東海道新幹線が建設されるときも鉄道に未来はないと言われていたので、リニア中央新幹線もできたらものすごい効用を生み出すのかもしれません。
Google Earthのデータは「70Tバイト以上」 ITmedia News 2006/09/27 ウェブ魚拓
同社はGoogle Earthのデータ量を公開していないが、最近発表された論文に「70Tバイト」とあったという。ジョーンズ氏は「過去のある時点で70Tバイトあったのは間違いない」とし、今は70Tバイト以上だと語った。
Google Earthは地球の陸地の20%、総人口の3分の1が住む地域をカバーしているという。3D表示できる建物も順次増やしているといい、将来は、建物内部の画像まで表示することを計画している。
ほうほう、建物内部が見られるとはすばらしい!
コピペ駅を撮影するのに下見の手間が省けそうですよ。


