近世の「うつし」
『復元思想の社会史』 編:鈴木博之
近世に入ると、西国三十三所巡礼などの「うつし」巡礼、すなわちオリジナルより行程の短いミニチュア版の札所巡礼が、全国各地に設けられるようになる。それらは女性や子供でも手軽に巡礼を達成できるものとして人気を呼んだ。江戸に限っても、「江戸三十三ヶ所」「山の手三十三ヶ所」「浅草辺西国写三十三ヶ所」・・・など枚挙にいとまがない。近世とは、さながら札所巡礼のコピーが全国各所へと増殖していく時代だった。 (p.15-16)
日本人のテーマパーク志向が、江戸時代には既に存在していたことがよく分かります。なるほど、現代におけるハウステンボスやスペイン村などと発想は何も変わりません。
全国で同じ現象が起きていたというのも興味深い事実です。最初にできた「三十三ヶ所コピー」を見て「これははすばらしい!」と膝をたたいた人が、全国にたくさんいたのでしょう。つまり「コピーのコピー」ができていくわけで、「コピーのコピーのコピー」と広がっていくさまを想像すると実に楽しいものです。楽しいのは僕だけでしょうけど。
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