最近、ひょんなことからパリのVelibという自転車レンタルの仕組みを調べました。

 中心市街地に300mごとにステーションを配置し、ステーション間で乗り捨てが可能という仕組みです。ステーションには無人の自動管理システムがあり、自転車にはGPSが付けられていて車両管理までなされています。
 1日券が1ユーロで、30分以内であれば何度でも無料という料金設定が使いやすいようで、パリジャン、パリジェンヌの間で大人気なのだそうです。パリは人口密度が高いことで有名ですが、主に通勤・通学での利用が最も多いとのことです。

 この仕組みを入札したのがJ.C.Decauxという世界でも大手の屋外広告代理店です。この会社の目の付け所はとても面白く、バス停に広告を設置することでバス停の建設費・維持管理費を負担するというビジネスモデルを構築しました。行政の負担をなくした上で、景観にも良いインフラ整備ができるというわけです。
 日本でも三菱商事と合弁でM.C.Decauxという会社を設立し、名古屋市などで同様の手法を展開しています。

 このVelibも同様に行政に負担がありません。市内のいくらかの広告スペースの使用権利を得ることで建設費と維持管理費をまかなうのだそうです。一方で、Velibから得られる利用料金はパリ市に充当されるようです。

 今、欧米ではこのようなハイテクなレンタル自転車を導入している都市が増えています。
 バルセロナ、オスロ、リヨンなど、それらは地下鉄を持つような比較的大きな都市です。地下鉄と徒歩の間を埋めるような公共交通と位置づけられており、ステーションや自転車専用レーンなど自転車利用に資するインフラ整備を進め、都市内から自動車を排除したいという思いがあるようです。

 僕はこの仕組みにとても興味があって、欧米では今後、LRTに続く公共交通のヒット商品になるのではないかと思っています。
 そしてこれは日本の大都市でも導入ができるのではないかと考えています。これまで日本では、放置自転車の再利用などからレンタサイクルの話題が出てきましたが、どうも盗難などの理由でうまくいかない場合が多いようです。

 自転車保有率の高い日本でこの仕組みを導入するには、盗難や修理のリスクを考えた上で、個人が所有するよりもオトクであることが必要と考えます。