名古屋市、欧州式の貸し自転車導入 COP10開催に合わせ 中日新聞 2008/12/31 ウェブ魚拓

 名古屋市は2010年10月の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)開催に合わせ、欧州で定着しているレンタル自転車を導入する。好きな時に好きなだけ「チョイ乗り」できる仕組みとし、自動車の都心への流入抑制や二酸化炭素など地球温暖化物質の削減につなげる。
(略)
 ステーションや自転車に企業の広告も採用する。移動はステーション間だけか、どこにでも自転車を乗り捨てられる形にするか、検討する。自転車はいずれも新車とし、統一された斬新なデザインにする。市内では自転車専用道や専用レーンの整備を併せて進める。

 これはおもにヨーロッパで導入されている仕組みで、「レンタル自転車」ではなく「コミュニティサイクルシステム」などと呼ばれているものです。(たとえばこちらをご参照ください)

 僕は以前からこのシステムに注目しており、日本で最初に導入するなら道路が広い名古屋市ではないかと考えておりました。そこで調べてみると、名古屋市はこのシステムの本質を本当に理解しているのか、本気で取り組む気があるのか、疑問を感じてきました。

 以下に、名古屋市の自転車利用空間の整備方針が示されています。
名古屋市:自転車利用空間整備(ハード)の施策(暮らしの情報)

 ここには、自転車道を整備する道路と、その断面のイメージが描かれていますが、この内容をかなり大胆に乱暴に要約すれば、「幅が広い歩道をもつ道路については、多少歩道をいじめて自転車空間にしても大丈夫だよね」と読み取れます。

 これはいかがなものかと考えます。本気で「自動車の都心への流入抑制」をしたいなら、歩道ではなく車道をつぶして自転車空間にすべきではないでしょうか。

 このシステムの先進事例であるパリでは、市長が自動車交通の削減と代替交通機関の充実を掲げており、その中でVelibが導入されました。そのため、市が保有する自動車駐車場を潰して自転車ステーションを設置するなど、その方針が少なからず守られているようです。すでに車道をつぶすことも進めているのかもしれません。

 現状の計画を見る限りでは、名古屋市では、このシステムを「チョイ乗り」としてあくまで短距離のモビリティ確保としてしか考えていないのではないかと思えてきます。もともと自転車は「軽車両」であって車道を通るべきものであり、歩道を潰して自転車道路にするのは、そもそもおかしいのです。

 「COP10」とか「4対6」とか「環境首都」とか色々な言葉が名古屋市にはありますが、車道を潰すくらいの気概を見せて欲しいと思っています。